本研究室では、地球環境との両立を目指した、高度なエネルギー社会の実現に向けて、超伝導技術を用いた研究開発を行なっています。

環境・エネルギー調和型社会構築を目指して

超伝導線材では、損失をほとんど無視できる状態で銅やアルミに代表される従来材料の100倍以上の大電流を運ぶことが可能となります。その優れた性能により、従来技術の壁を打ち破る革新的機器の開発、高効率エネルギー利用、省エネルギーによるCO2削減のための技術として、広範な分野で応用が期待されています。

本研究室では、先進計測評価技術の開発による超伝導材料の線材レベルの特性解明と高品質化、さらにそのパワー応用のための研究を行なっています。また、これらの研究活動を通じて、電気電子工学分野の次代を担う若手の研究者、技術者の教育に取り組んでいます。

我々は限りあるエネルギーと地球環境の両立を目指します。

共同研究、国家プロジェクトを通じた社会貢献

高温超伝導技術の特徴は、広い産業分野に適用可能であること、それらが基本的に各分野における省エネルギーに直結していることから、エネルギー・資源の安定供給確保のための重要技術課題と位置づけられており、経済産業省、NEDOを中核とする国家プロジェクトによる研究開発支援が積極的に行われています。本研究室も、産・官・学が一体となった取り組みに、大学の立場から参画し、特に、超伝導特性の計測評価の分野において、プロジェクトの中核的役割をになってきました。また、超伝導技術のエンドユーザーならびに線材メーカーなど民間企業との共同研究も積極的に推進しています。電力機器における超伝導応用に関する基盤研究を、九州電力(株)総合研究所との間で1999年度より継続的に実施しています。さらに、現在商用生産が開始されている、ビスマス系高温超伝導線材に関して、更なる特性向上を目指した共同研究を住友電工(株)との間で2003年度より開始し、線材の臨界電流制限因子の解明を通して、実用性能向上に貢献しています。

学術、学会活動

研究活動を通じて得られた成果は、原著論文ならびに専門図書において発表すると共に、国際的研究集会において招待講演や講義、さらに国際シンポジウムのオーガナイザを務めるなど、本分野の振興に努めています。この様な研究成果に関して、2006年6月には(社)未踏科学技術協会より超伝導科学技術賞を授与されています。